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わたらせ渓谷鐵道再訪

「いい景色。きのうの日本酒が抜けるわぁ」「だよねぇー」
 吉田類の「居酒屋放浪記」を見ては飲み歩いてんでしょうか、ワコール製の
CWXと派手なウェアでキメたアラフォー山ガールたちが跨線橋の上で感極まっ
ております。ここは、低い峰が重なり合うようにして渓流と無人駅舎を取り囲
む「わたらせ渓谷鐵道」の神戸駅。桐生と旧足尾銅山を結ぶローカル線です。
 お姐さん方とちがって、下戸のオジサンは雑誌のルポ記事を書くためにやっ
てきた。仕事なんです、シ、ゴ、ト。
 ホーム奥に留置された東武特急の旧車両を利用したレストランで舞茸の天ぷ
らを食べた後、スケッチポイントの本宿駅へ。渡良瀬川上流を縫うように走る
観光路線だけに、新緑と紅葉シーズンはけっこうな数の乗客がいるものの、今
日は平日、目の前に清流を望む短いホームには人っ子一人おらず、聞こえてく
るのはせせらぎの音と鳥の声ばかり。いいですねえ、やっぱりローカル線は。
 ついでに、翌日織物の町桐生に残るノスタルジックな一画で味わった、名物
の「ひもかわ」うどんと、うな重もご覧ください。

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# by retrosketcher | 2014-07-03 00:03

竹田はぁおいらの心の駅だ♪


 このところ北国の路線が多かったので久々に九州編を。JR豊肥本線の「豊後竹田」
を知ってるという人がいたら、よほどの鉄道マニアか大分県出身者でしょう。隠れ
キリシタンの洞窟教会や武家屋敷が残る、落ち着いた風情の城下町で、ワタクシめ
にはスケッチの原点という意味で印象深い町です。 
 江戸後期、この町に田能村竹田(たのむら ちくでん)という文人画の大家がおり、
名を冠した「竹田祭」という子どもの絵のコンクールがかつて行われていました。
佳作止まりの私にひきかえ、毎年特賞の兄は汽車賃支給で表彰式へ。画聖の生家で
トロフィー抱えて記念写真に収まります。当方は毎度表彰式を眺めるのみ。努力と
結果はイコールじゃないんですねえ。 
 しかし、正統派がダメなら漫画に転向する道があると凡才少年は考えます。以来、
中高美術部では石膏デッサンはそこそこに、掛け持ちしていた新聞部で一コマ漫画
に精を出して、大学では漫研に入り浸り。気が付けば漫画のクセが残るスケッチに
はまっているというわけでした。

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年季の入ったJR九州の車両。派手なメイクで頑張ってます
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滝廉太郎作曲「荒城の月」ゆかりの岡城趾
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子どもの頃によく食べた、三日月形の和菓子「三笠野」
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# by retrosketcher | 2014-06-01 11:14

三陸鉄道は全面開通したけれど。

 海に近かった中心街が津波で消えた大槌町では、飲み屋事情も一変。今月半ば
に町を訪問した折、「福幸きらり商店街」にある評判の寿司屋さんでこんな話を
聞きました。
「みんな出不精になってしまって。『代行』を頼むと、一回分の飲み代が消えて
しまいますし」
 以前なら仕事帰りに飲んでも、多くの人は歩いて自宅へ帰ることができました。
職住接近の地方ならではです。ところが今は遠く離れた仮設住宅暮らしのため、
中心街近くにある仮設飲食店街へ立ち寄ってお酒を飲もうとすると、「代行」の
クルマを呼ぶしかないというわけです。
 朝、市場で仕入れた地魚づくしの海鮮丼はとてもおいしかったのですが、下ご
しらえはすべて魚市場でやっているんだとか。仮設店舗のために水回りの設備が
不十分で、店で作業できないのです。
「三陸鉄道が全面再開したというニュースを全国の人が知り、三陸全体で復興が
進んでいると思われるのが辛いです。宮古から大槌、釜石の間はJR山田線。再開
の見通しはまったくないですから」
 大槌町訪問の前夜、宿泊した釜石にある仮設の飲食店街へ出掛けてみると渋谷
の「呑ん兵衛横丁」の人たちが寄贈した電飾看板が。数十軒が並ぶ小さな居酒屋
の中に移転の貼り紙がありました。元の場所へ戻れたようです。しかし、中心街
の整地が終わらない大槌では、元の場所での営業再開のメドは立っていません。
震災から3年余り。復興スピードの差は被災地の人の心を複雑にしています。
 改めてお願いです。大槌へ贈るカレンダー作りの資金集めに以下のサイトから
ご協力を!
https://readyfor.jp/projects/kuribora

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# by retrosketcher | 2014-05-01 00:01

北国の春よ、来い──大槌レポート2014年4月

 すっかり更新できない日々が続いておりますが、あと少しで三陸鉄道やら日田彦山線
やらのスケッチをアップしたいと思っとります。で、その前に今日は皆様にお願いの儀。

 復興が順調に進まず孤立感を深める被災地を少しでも支援するために、私が所属する
広告制作会社の団体OACが取り組む「大槌の宝CALENDAR2015」。3年目の今年は、
大槌小学校の児童と東京のプロデザイナーらがコラボレートするかたちで制作するため、
大槌町教育委員会と大槌小学校を訪ねました。その時の町の様子をご紹介します。
 震災以来4度目の訪問ですが、復興の進み具合はと言えば、驚くほど遅れていると言わ
ざるをえない状態です。

大槌漁港。堤防が崩れたこの写真は、震災直後ではなく、いま現在の様子です。
北国の春よ、来い──大槌レポート2014年4月_e0264319_03935.jpg

毎回訪問するたびに上る城山公園からの中心街の眺め。土地のかさ上げをする盛土が
積まれた程度で、建物ができる日はまだ相当先。盛り土がまきあげる大量の砂ぼこり
が寒々しさをいっそう感じさせます。
北国の春よ、来い──大槌レポート2014年4月_e0264319_0393510.jpg

カレンダーの絵を描いてくれる子どもたちがいる大槌小学校を訪ねました。学校の
建物もあと3年は仮設。夏は教室内が40度以上、冬は厳しい底冷えがするとか。
それでも、全国からの応援も力にしてけなげに学校生活を送っていました。
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北国の春よ、来い──大槌レポート2014年4月_e0264319_0394815.jpg

カレンダーの印刷代金やチャリティー展の資金捻出のための募金に応じてくださる
方へのお返しに使う地元海産物の加工業を営む芳賀さん。天日干し、無添加でてい
ねいにつくる加工品は、どれもおいしいものばかり。打ち合わせでお邪魔したのに、
つい買い込んでしまいます。
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ひょっこりひょうたん島。島へ続く道の整備が進んでいます。
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東京はすっかり葉桜ですが、大槌ではようやく三分咲きといったところ。
三陸の春はまだまだ遠いのです。
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というわけで、カレンダーの募金サイトはこちらです。
ぜひご支援をお願いします!!
https://readyfor.jp/projects/kuribora
# by retrosketcher | 2014-04-17 00:46