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大鰐温泉雪景色


 このところ関西を中心に西へ出掛けることの多い毎日で、はてブログのリスタートは
どこからと思案の末、寒い時期はやっぱり北国でしょうと、まずは青森から。
 2月に弘前で用があり、どうせ泊まるならと大鰐温泉にちょっぴり足をのばしました。
実はこの温泉地、数年前の夏に訪れています。ちょうど「ねぷた」のころで、弘前周辺
の宿はどこも満室。やっと見つけたのは、玄関に「ビールの自販機が壊れています」と
いう手書きの貼り紙があって、のっけから期待を高めてくれる大鰐温泉の宿でした。案
の定、大食堂の畳は一面ささくれだち、通された客室「せきれいの間」は隣のカラオケ
スナック「雨三晴四」(うさばらしと読んであげましょう)から美声が響き渡る素敵な
BGM付き。土地一番の高級旅館「錦水」とは、漢字ひと文字違いだったのにねえ。なも
んで、今回はちょっぴり贅沢して元・錦水の星野リゾートです。
 しかしお客が、いない。2月の平日とはいえ大丈夫なのか……。そういえば太宰治が
戦時中に発表した作品「津軽」で、「温泉よりも、スキー場のために日本中に知れ渡っ
ているようである」という大鰐温泉に触れたくだりがあります。いまやスキー場として
知っている人も少ないでしょう。
 それはともかく、スケッチです。大鰐温泉はJRも走っていますが、これは弘南鉄道の
方の駅。線路脇に小高く積み上げられた雪に沿うように、2両編成の列車がホームへ滑
り込んできます。まばらな客が乗り込んだ車内のつり革には「東横のれん街」の広告が。
そうです、渋谷かいわいを走っていた東急車両がここで第二の人生を送ってるんですね。
 ハイシーズンにはそれでも観光客でささやかに賑わう温泉地ですが、雪が町の形も音
も消してしまうこの季節は、北国の旅情を静かにかきたててくれます。わがままを言え
ば、変に賑わうよりこのままずっといてくれた方がオジサンにはいいんですが。
大鰐温泉雪景色_e0264319_1371471.jpg

by retrosketcher | 2012-11-30 13:12
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